“美(う)” の例文
描(ゑが)かぬ畫(ゑ)もおなじ事(こと)御覽(ごらん)じ知(し)る筈(はず)もあらねば萬一(もし)やの頼(たの)みも無(な)きぞかし笑(わら)はるゝか知(し)らねども思(おも)ひ初(そめ)し最初(はじめ)より此願(このねが)ひ叶(かな)はずは一生(しやう)一人(ひとり)で過(す)ぐす心(こゝろ)憂(う)きに送(おく)る月日(つきひ)のほどに思(おも)ひこがれて死(し)ねばよし命(いのち)が若(も)しも無情(つれな)くて如何(いか)に美(う)るは
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
他(あだ)しごとは思(おも)ふまじ左(さ)るにても君(きみ)さまのお心(こゝろ)氣(き)づかはしと仰(あふ)ぎ見(み)れば端(はし)なくも男(をとこ)はじつと直視(ながめ)ゐたりハツと俯向(うつむ)く櫨(はぢ)紅葉(もみぢ)のかげ美(う)るはしき秋(あき)の山里(やまざと)に茸(たけ)がりして遊(あそ)びし昔(むか)しは蝶々髷(てふ/\まげ)の夢(ゆめ)とたちて姿(すがた)やさしき都風(みやこふう)たれに劣(おと)らん色(いろ)なるかは愁(うれ)ひを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)