“演(の)” の例文
我身に当った一例を演(の)べんに、沙翁の戯曲『マッチ・アズー・アバウト・ナッシング』のビートリース女の話中に出る『百笑談(ハンドレット・メリー・テールス)』
ことに自分の今演(の)べんとすることは、日本に関することではないか、この点については僕は確かに彼らに優(すぐ)れている。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
火焔(ほのほ)の様な雄弁でお演(の)べなすつた時には、何故(なにゆえ)とも知らず聴衆(きゝて)の多くは涙に暮れて、二時間許(ばかり)の説教が終つた時には、満場只(た)だ酔へる如き有様でした
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
かくのごとく演(の)べたのである、ここに於て吾々は、まずこの新世界建設同盟会の現状に就いて記さねばなるまい。
太陽系統の滅亡 (新字新仮名) / 木村小舟(著)
厳格(おごそか)に口上を演(の)ぶるは弁舌自慢の円珍(えんちん)とて、唐辛子をむざと嗜(たしな)み食(くら)える祟(たた)り鼻の頭(さき)にあらわれたる滑稽納所(おどけなっしょ)。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
怨(うらみ)を演(の)ぶる意気込すさまじく「己(おの)れ久吉」にて、右手は内懐より出して片袖を攫(つか)み、左手にて右の腕首を肘(ひじ)との中ほどを握り、右の足を高欄にかけしまませりあがる。
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)
老生の演(の)べんとする所は、慶應義塾の由来に就(つ)き、言(げん)少しく自負に似て俗に云(い)う手前味噌(てまえみそ)の嫌(きらい)なきに非(あら)ざれども、事実は座中諸君の記憶に存する通り聊(いささか)も違(たが)うことなく
余は竊(ひそ)かに坐を会堂の一隅燈光暗き処に占め、心に衆とともに歌い、心に衆とともに祈らん、異端の巨魁たる余は公然高壇の上に立ち粛然福音を演(の)べ伝うるの許可を有せざれば
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
余が苦心せし墨使(ぼくし)応接、航海雄略等の論、一も書載せず。ただ数箇所、開港の事を程(ほど)よく申演(の)べて、国力充実の後打攘然(しか)るべしなど、吾(わが)心にも非ざる迂腐(うふ)の論を書付けて口書とす。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
偖(さて)前回に演(の)べました文治郎と亥太郎の見附前の大喧嘩は嘘らしい話ですが、神田川(かんだがわ)の近江屋(おうみや)と云う道具屋の家(うち)に見附前の喧嘩の詫証文(あやまりじょうもん)と、鉄拵(ごしら)えの脇差と、柿色の単物が預けてあります。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
貧民は早や食ふと食はぬの界に臨みたるなれば、各(おのおの)死憤の勢ありて小吏等万般説諭なせどもなかなかに鎮まらず、或は浅草今戸町その外処々の辻々へ貧窮人等が張札をして区々の苦情を演(の)べたるうへ
招き集めて演(の)べけるやうは
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
万民に演(の)べた言で個人に述べた言でないからして、とかくわれわれ凡人(ぼんじん)の頭には入っても腹の底に沁(し)みることが薄(うす)い。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
その時清を押えくれたる礼をも演(の)べつその時の景状(ようす)をも聞きつ、また一ツにはさんざん清を罵(ののし)り叱って以後(こののち)わが家に出入り無用と云いつけくれんと立ち出でかけ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
合祀のためかかる嘆かわしきこと多く行なわるるは、前日増田于信氏が史蹟保存会で演(の)べたりと承る。大和には武内宿禰の墓を畑とし、大阪府には敏達帝の行宮趾を潰せり、と聞く。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
時には死と死後の有様について高壇より公衆に向(むかっ)て余の思想を演(の)べたり、人の死するを聞くや、或は聖経(せいきょう)の章句を引用し、或は英雄の死に際する時の状(さま)を語(かたっ)て、死者を悲(かなし)む者を慰めんとし
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
次回(つぎ)にたっぷり演(の)べましょう。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
働き顔に上人の高徳を演(の)べ説き聞かし富豪を慫慂(すゝ)めて喜捨せしむる信徒もあり、さなきだに平素(ひごろ)より随喜渇仰の思ひを運べるもの雲霞の如きに此勢をもつてしたれば
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
とあって、長々その理由を演(の)べ居る。
働き顔に上人の高徳を演(の)べ説き聞かし富豪を慫慂(すす)めて喜捨せしむる信徒もあり、さなきだに平素(ひごろ)より随喜渇仰(かつごう)の思いを運べるもの雲霞のごときにこの勢いをもってしたれば
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
止観明静(めいじょう)、前代未だ聞かず、という最初のところから演(の)べる。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)