“歎(な)” の例文
こればかりでも、女は死にます。奥様の不幸(ふしあわせ)な。歓楽(たのしみ)の香(におい)は、もう嗅いで御覧なさりたくも無いのでした。奥様は歎(な)き疲(くたぶ)れて、乾いた草のように萎(しお)れて了いました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
我れは此(この)まゝ朽(くち)はてぬとも、せめては此子を世に出したきに、いかにもして今一(ひと)たび戻りくれよ、長くとには非ず今五年がほど、これに物ごゝろのつきぬべきまでと、頼みつすかしつ歎(な)げきけるが
琴の音 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)