“木(キ)” の例文
ヤガテ ツヨイ ヒカリニ ナレテ クルト ナタネノ 花タチハ アタリヲ ミマハシテ、木(キ)ヤ ハタケヤ ミチヤ イヘヤ ソラヤ ミズヲ ミマシタ。
ウマヤノ ソバノ ナタネ (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
一つは「夢流し(初夢の原形)」、他は、前に書いた「斎(ユ)の木(キ)の祝言」である。此等の為事は、思ふに、古くから一部さむらひ人(ビト)の附帯事務であつたらしい。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「木(キ)」「城(キ)」「月(ツキ)」「槻(ツキ)」「調(ツキ)」「霧(キリ)」「新羅(シラキ)」「尽き」「避(ヨ)き」などの「き」には「紀」「記」の類の文字を用いて、他の類のものを用いることは殆どなく、これも
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
即ち「でら」の「て」は「で」となる、「やまてら」と云つたら古では叡山と園城寺とならべ云ふときの略稱である、又、矢(ヤ)と木(キ)との二語で「矢につくる木」と云ふとすると
婚姻の媒酌 (旧字旧仮名) / 榊亮三郎(著)
侍の唱へる「斎(ユ)の木(キ)の下の御方(オンコト)は」に対して「さればその事。めでたく候」と答へる主公は、自身の精霊の代理である。即、返し祝詞と言はれるものゝ類である。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ホカノ 木(キ)ヤ クサニ マケナイホド ウツクシイノヲ シツテ イツソウ ヨロコビアヒマシタ。
ウマヤノ ソバノ ナタネ (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
また、「キ、ヒ、ミ」も「月(ツキ)」が「月夜(ツクヨ)」となり、「火(ヒ)」が「火中(ホナカ)」となり、「神(カミ)」が「神風(カムカゼ)」となり、「身(ミ)」が「むくろ」(骸)となり、「木(キ)」が「木立(コダチ)」になります。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
河島皇子の葬儀の為に、右の皇女・皇子に嘱せられて作つた物と見るべきで、明日香皇女を木(キ)ノ上殯(ヘノアキラ)ノ宮(ミヤ)にすゑてあつた時に、同人の作つた歌(巻二)と同じ意味で作られたのである。
万葉集のなり立ち (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
イ段の仮名にあたる音がオ段にあたる音に(木(キ)—木(コ)の実、火(ヒ)—火(ホ)の秀(ホ)—焰)
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
朴の木、橿(カシ)の木の一種にもおなじ名がある。此は「斎(ユ)」と関係があるらしい。柳(ヤナギ)は斎(ユ)の木(キ)である。矢(ヤ)の木ではなくて、斎(ユ)の木、即、物忌みの木である。ゆのぎがやなぎになつて来たのである。
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
賀正事(ヨゴト)の非公式になつたもので、兼ねて「斎(ユ)の木(キ)の祝言」の元とも言ふべき宮廷の新年行事である。ものの意義は、内容が可なり広く用ゐられてゐる。年中の運勢など言ふ風にも感じられる。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其為に時としては却(かへつ)て逆に、古い世にこそ、庶物の精霊が神言をなしたものとすら考へる様になつた。「磐(イハ)ね」「木(キ)ねだち」「草のかき葉」も神言を表する能力があつたとする考へが是である。