“暈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かさ40.4%
ぼか18.0%
ぼ11.2%
よ3.9%
くま3.4%
ぼや2.8%
めまい2.2%
カサ1.7%
くら1.7%
くる1.1%
しみ1.1%
ぼっ1.1%
うん1.1%
くも1.1%
つきかさ1.1%
ぼう1.1%
まは1.1%
まわ1.1%
う0.6%
おぼめ0.6%
くるめ0.6%
ほや0.6%
ぼかし0.6%
ぽ0.6%
まぶ0.6%
よい0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また寒中などに太陽のまわりに暈(かさ)が出来てその輪の横に光った処が出来、あたかも日が二つも三つも現われたように見える事がある
雪の話 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
暈(ぼか)して胡麻化(ごまか)してしまう。偉いぞお菊、その呼吸だ。御台所(みだいどころ)に成れるかもしれねえ。俺はお前の弟子になろう、ひとつ俺を仕込んでくれ
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
赤く霧を暈(ぼ)かしている火の側から、男たちは登に呼びかけ、笑いながら、向うで聞える騒ぎのほうへ肩をしゃくってみせた。
赤ひげ診療譚:06 鶯ばか (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
船暈(ふなよ)いをした人が、下腹部(したばら)に力を入れて、一生懸命に抵抗しようとすればする程、暈(よ)いが募(つの)って来る時のように、心の平静を失うまいとして、とりわけ
予審調書 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
目の縁には黒い暈(くま)が出来た。声は干からびた喉から出るやうに聞える。一夜も穏に眠らない。その絶間の無い恐怖は、徒(いたづら)に無言の童を悩ますのである。
が、その笑いは再び他の笑いに消されがちになっていって、それと一緒にその可愛らしい image もだんだん暈(ぼや)けていく。
三つの挿話 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
が、いくら目をこすってみても、望遠鏡の焦点を再調整してみても、ヘルナーの山頂には少しも変わりなき異風景が見られたのである。ドレゴは遂に暈(めまい)を催(もよお)した。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三、丘丘十郎(著)
唯、姫の仰ぎ寢る頂板(ツシイタ)に、あゝ、水にさし入つた月。そこに以前のまゝに、幾つも暈(カサ)の疊まつた月輪の形が、搖(ユラ)めいて居る。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
香港(ホンコン)の夜の灯(ひ)は珠玉なりと君のかねて云ひ給ひしが、この港に入(い)り候(さふら)ひしは夕(ゆふべ)も過ぎし頃にて、甲板(かふばん)へ出(い)でし私の目は余りのまばゆさに暈(くら)まむと致し候(さふらふ)。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
白白(しらじら)と浮(うか)びちり、あはれ早や沈み暈(くる)めく。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
岸から余り遠くない所に、天狼星(てんらうせい)が青く水に映つてゐる。其影の暈(しみ)のやうに見える所を、長い間ぢつと見てゐると、ぢき側に球(たま)の形をした栓の木の浮標が見える。
センツアマニ (新字旧仮名) / マクシム・ゴーリキー(著)
その光には、冷たい清冽な敬虔な気品があって、また、それに暈(ぼっ)とした乳白(ミルク)色の濁りがあるところは、奥底知れない神性の啓示でもあろうか。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
殆ど淡紅暈(うん)を帯びることがないが、有毛のものは、紅暈を帯びる、近来無毛のものを、ウスキシャクナゲと称し、有毛の方を、シロシャクナゲと呼んで、これを一変種と認めるが、総称する場合には
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
故に彼等は、それの透明を暈(くも)らすところの、すべての主観的なもの、情感的なものを追い出してしまう。彼等はアリストテレス的没主観の認識で、事物の本相に深く透入しようと考えている。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
それへ東窓(ひがしまど)を洩(も)れる朝日の光(ひかり)が、後(うしろ)から射すので、髪(かみ)と日光(ひ)の触(ふ)れ合(あ)ふ境(さかい)の所が菫(すみれ)色に燃(も)えて、活(い)きた暈(つきかさ)を脊負(しよ)つてる。それでゐて、顔(かほ)も額(ひたひ)も甚だ暗(くら)い。暗(くら)くて蒼白(あをしろ)い。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
と法水は、異様なものを仄(ほの)めかしたけれど、ウルリーケの顔は咄嗟(とっさ)に硬くなり、雲のような暈(ぼう)としたものが舞い下りてきた。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
暈(まは)せしとて大騷動(おほさうどう)となり人々立騷(たちさわ)ぐにぞ縫殿頭(ぬひのかみ)殿是を聞れ女が心底(しんてい)を感心有て印籠(いんろう)の中なる氣付を出し駕籠脇(かごわき)の者に渡され立歸りて是を與へよとありしにぞ駕籠脇(かごわき)の侍士(さふらひ)立戻(もど)りて彼の藥(くすり)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
急に頭が重くなって眼が暈(まわ)るように感じた時、眼前に咲いた黄色な薔薇の花は、歯の抜けるように音なく花弁が朽ちて落ちた。
薔薇と巫女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
突然レムブルグが悲鳴をあげて廊下に飛出す、米良はバルコニに駈け上ると暈(う)れた空気に蒼白(あおざ)めた闘争に窶(やつ)れた同志の死体が沈むのを見た。
地図に出てくる男女 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
薔薇色の火光に暈(おぼめ)かされて人間界(このよ)ならぬ神秘幽幻の気が八方岩石に囲繞された湖の面に漂っているようだ。目前に鏡のように湖が拡がっているではないか!
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
瞬間の暈(くるめ)くような激しさで、自分というものが橋桁で、下に急な流れをみおろしてでもいるような、止めどなく洗われている感覚に襲われることがある。
杉垣 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
正造はその言葉を耳にとめて大出を見返し、それから畳のうえのランプの暈(ほや)に眼を移して腕組みしていたが
渡良瀬川 (新字新仮名) / 大鹿卓(著)
やや鏝が冷めかかると、それで暈(ぼかし)を入れる。細かい絵であるからわずかの動きで浮き出てくる。いくら見ても見厭(みあ)きない。吾々は工人たちが知っている限りの図柄(ずがら)を竹篦(たけべら)に焼附けてもらった。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
眼の縁が暈(ぽ)っと紅く染って来て、小びんの後毛(おくれげ)をいつも気にする人なんだが、それが知らず知らずのうちに一本一本殖えて行く——と云うほど、あの人だっても夢中になってしまうんだよ。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
唯燦々(きらきら)と暈(まぶ)しく輝くのみである、此の正体は問う迄もなく夜光珠(だいやもんど)で、中には十二乗を照すとも評す可き巨(でか)いのもある。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
やっと熱海の宿に着いて暈(よい)の治りかけた頃にあの塩湯に入るとまたもう一遍軽い嘔気を催したように記憶している。
箱根熱海バス紀行 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)