“晩(く)” の例文
トいう光景(ありさま)で、母親も叔父夫婦の者も宛(あて)とする所は思い思いながら一様に今年の晩(く)れるを待詫(まちわ)びている矢端(やさき)
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
日の晩(く)れから鳴き出して夜更(よふ)けにも鳴くことがあるが時としては二羽のつれ鳴に鳴く声が聞える事がある。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
史學研究の大望を起して、上京を思立つた自分は、父母の家を辭した日の夕方、この伯母が家に著いて、晩(く)れ行く秋の三日四日、あかぬ別れを第二の故郷と偕(とも)に惜まれたのであつた。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
春晩賦詩頻 春晩(く)れて詩を賦すること頻りなり。
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
安息日(あんそくじつ)の晩(く)れ方(がた)に薄ぐろい銀の錆(さび)をしみじみと
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
史学研究の大望を起して、上京を思立つた自分は、父母の家を辞した日の夕方、この伯母が家に着いて、晩(く)れゆく秋の三日(みつか)四日(よつか)、あかぬ別れを第二の故郷と偕(とも)に惜み惜まれたのであつた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)