“旭(ひ)” の例文
その中(うち)に東の空はほのぼのと明け渡って、向うの庭の枯れ木立の間から眩しい旭(ひ)の光りが、この室(へや)の中へ一パイに映(さ)し込みました。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作、杉山萠円(著)
朝靄(あさもや)山の腰をめぐりて高くあがらず淺間が嶽に殘る雪旭(ひ)の光にきらめきたり滊車の走るに兩側を眺むる目いそがはし丘を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
何しろ、これは、今の話の様子だと、——故人が鏨(たがね)で刻んだという、雪をつかんだ鶏の鳥冠に、旭(ひ)のさしたのを
また寳珠鼻(ほうしゅばな)へ着くと乗込むものも有り、是から関宿(せきやど)へ着きますと荷物が這入るので余程手間がかゝり、堺へ参りますと此処にて乗替え、栗橋(くりはし)へ参り、旭(ひ)が昇って川に映り、よい景色でございます。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
色の白い好(い)い男の、年若な武士で、大小などは旭(ひ)にきらきらして、その立派さといったらなかったそうだよ。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
翌朝(よくてう)、一風呂(ひとふろ)キヤ/\と浴(あ)び、手拭(てぬぐひ)を絞(しぼ)つたまゝ、からりと晴(は)れた天氣(てんき)の好(よ)さに、川(かは)の岸(きし)を坦々(たん/\)とさかのぼつて、來日(くるひ)ヶ峰(みね)の方(かた)に旭(ひ)に向(むか)つて、晴々(はれ/″\)しく漫歩(ぶらつ)き出(だ)した。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)