“撫擦”の読み方と例文
読み方割合
なでさす100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はッと縁側に腰をかけた、女房は草履の踵(かかと)を、清くこぼれた褄(つま)にかけ、片手を背後(うしろ)に、あらぬ空を視(なが)めながら、俯向(うつむ)き通しの疲れもあった、頻(しきり)に胸を撫擦(なでさす)る。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
後(のち)に仙台侯の御抱(おかゝ)えになりました黒坂一齋(くろさかいっさい)と云う先生の処に、内弟子に参って居(お)る惣領(そうりょう)の新五郎(しんごろう)と云う者を家(うち)へ呼寄せて、病人の撫擦(なでさす)りをさせたり、或(あるい)は薬其の外(ほか)の手当もさせまする。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お秋(あき)が納戸(なんど)に居(ゐ)た姿(すがた)を、猛然(まうぜん)と思出(おもひだ)すと、矢張(やつぱ)り鳴留(なきや)まぬ猫(ねこ)の其(そ)の聲(こゑ)が、豫(かね)ての馴染(なじみ)でよく知(し)つた。お秋(あき)が撫擦(なでさす)つて、可愛(かはい)がつた、黒(くろ)、と云(い)ふ猫(ねこ)の聲(こゑ)に寸分(すんぶん)違(たが)はぬ。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)