“握(と)” の例文
ここにその神の髮を握(と)りて、その室の椽(たりき)ごとに結ひ著けて、五百引(いほびき)の石(いは)一二を、その室の戸に取り塞(さ)へて、その妻(みめ)須世理毘賣を負ひて
子供は、早速考えついて、後方(うしろ)に居並んでいたベンチを一つ引摺って来て黒板の下に置いて、それを足場としてその上に立って、白墨を握(と)って用意した。
点 (新字新仮名) / 小川未明(著)
戰(をのゝ)く指を握(と)られなば
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
かく設け備へて、その御子を抱(うだ)きて、城の外にさし出でたまひき。ここにその力士(ちからびと)ども、その御子を取りまつりて、すなはちその御祖(みおや)を握(と)りまつらむとす。
無数の小(ちいさ)い塵埃(ほこり)は一つ一つ光って明るい海を泳いでいた。吉太は慌ててその皿を奪うように握(と)ると垢染(あかじみ)た懐の中に隠してしまった。軒の柱には、黒い鳥が籠の中に入って懸っている。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこでその大神の髮を握(と)つてその室の屋根のたる木ごとに結いつけて、大きな巖をその室の戸口に塞いで、お妃のスセリ姫を背負(せお)つて、その大神の寶物の大刀(たち)弓矢(ゆみや)
歳(ほし)は大糜に次(やど)り、月は夾鐘に踵(あた)り三、清原の大宮にして、昇りて天位に即(つ)きたまひき。道は軒后に軼(す)ぎ、徳は周王に跨(こ)えたまへり。乾符を握(と)りて六合を摠(す)べ、天統を得て八荒を包(か)ねたまひき。