“慣(つ)” の例文
双方共朝飯を食い慣(つ)けていない一種の人類だと勘づいて見ると、自分の運命は坑夫にならない先から、もう、坑夫以下に摺(ず)り落ちていたと云う事が分った。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おゝ突当(つきあた)りやがつて、気(き)を附(つ)けろい、盲人(めくら)に突当(つきあた)る奴(やつ)が有(あ)るかい。近「眼(め)が明(あ)いて居(ゐ)るぢやアないか。梅「ヘヽヽ今日(けふ)明(あ)きましたんで、不断(ふだん)云(い)ひ慣(つ)けて居(ゐ)るもんですから。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「三拾円」と女が金高(きんだか)を云つた。恰(あたか)も毎日銀行へ金(かね)を取(と)りに行き慣(つ)けた者に対する口振(くちぶり)である。幸ひ、三四郎は国(くに)にゐる時分、かう云ふ帳面を以て度々(たび/\)豊津(とよつ)迄出掛(か)けた事がある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「だって御覧な、ぐたぐたして抱き慣(つ)けない男に手なんか出せやしないじゃないか」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)