“志(し)” の例文
婦女子の精神未(いま)だ堅固ならざる者を率いて有形の文明に導くは、その居(きょ)を変ずるものなり。その居既(すで)に変じてその志(し)はいかに移るべきや。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
木下君も来た、金子さんや真鍋さんも来てくれた。杉浦さんが学校の毛布を持って来てくれてその上へねかされた。そのうちに志(し)んがやって来た。
病中記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
詩になっていないことは自分でも万々知っているが、自分の「志(し)」ではあった。その後へ、もう一筆加えて
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
将軍勇あり義あらバ、早く来りて一戦志(し)、共にこゝ路(ろ)よきお致さん。
従兄妹(いとこ)同志(し)で恋(こひ)し合つて、青木さんの境遇(きやうぐう)にすれば多少(たせう)早過(はやす)ぎもしたのであつたが、互(たがひ)に思(おも)ひつめた若々(わか/\)しい熱情(ねつじやう)のまゝに思(おも)ひ切(き)つて結婚生活(けつこんせいくわつ)にはいつた二人は、まる三年間(かん)を※(へ)たその頃(ころ)になつて
夢 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
序(ついで)にわたくしたち女の為に志(し)るこ屋からみつ豆を運び込ませました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
然るに今日において、未だ男子の奔逸(ほんいつ)を縛(ばく)するの縄は得ずして、先ずこの良家の婦女子を誘(いざの)うて有形の文明に入らしめんとす、果たして危険なかるべきや。居(きょ)は志(し)を移すという。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)