“富(ふ)” の例文
富(ふ)の字(じ)と云(い)ふ稱(な)からして工面(くめん)のいゝ長唄(ながうた)の姉(ねえ)さんが、煙管(きせる)を懷劍(くわいけん)に構(かま)へて、かみ入(いれ)を帶(おび)から拔(ぬ)くと、十圓紙幣(じふゑんしへい)が折疊(をりたゝ)んで入(はひ)つて居(ゐ)る……偉(えら)い。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
だから貧時(ひんじ)には貧(ひん)に縛(ばく)せられ、富時(ふじ)には富(ふ)に縛せられ、憂時(ゆうじ)には憂(ゆう)に縛せられ、喜時(きじ)には喜(き)に縛せられるのさ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「とみは富(ふ)の字か。」
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)