“嘉(よ)” の例文
そんな人間関係を、人間同士の乾いたつながりを、ぼくは嘉(よ)しとするんですがねえ。たとえば水族館に行くとします。
凡人凡語 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
すでに他人の忠勇(ちゅうゆう)を嘉(よ)みするときは、同時に自(みず)から省(かえり)みて聊(いささ)か不愉快(ふゆかい)を感ずるもまた人生の至情(しじょう)に免(まぬ)かるべからざるところなれば、その心事を推察(すいさつ)するに
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
校長・議員・幹事・講師及び学生諸君は必らず余の冀望を嘉(よ)みし、共にその力を出し、以て本校の隆盛を謀り、恩人隈公が万余の義金を捐(す)ててこの校を建て
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
「大東亜の建設を嘉(よ)みされた人」であり(議会に通例な開院式の勅語のほかに特別に賜った簡単な勅語)
時勢同じからざるが故に、敢て一概に論ずる能(あた)わずとはいえ、とにかく彼らの人物如何を察するに足らん。吾人(ごじん)は井伊の胆略を嘉(よ)みすと同時に、その規模の小なりしを憐まざるを得ず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
蒼海(あをうみ)の鯨の蕪骨(ぶこつ)醸(か)み酒のしぼりの粕に浸(ひ)でし嘉(よ)しとす
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
女子の身に恥ず可きことは男子に於(おい)ても亦(また)恥ず可き所のものなり。故に父母の子を教訓するは甚だ嘉(よ)し。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
十八日下田に達し、千辛万苦の末二十七日の夜二時頃漁舟を盗みこれに乗じて米国の旗艦に赴かんとし、遂にこれに達したれども、米将その志を嘉(よ)みしその事を許さず、壮志磋跌(さてつ)、而(しこう)してこの蹉跌
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
独立の品行、まことに嘉(よ)みすべしといえども、おのずからその限りあるものにして、限界を超えて独立せんとするも、人間生々(せいせい)の中にありて決して行わるべきことに非ず。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その心掛けは嘉(よ)みすべしといえども、人々(にんにん)に天賦の長短もあり、家産・家族の有様もあり、幾千万の人物が決して政治家たるべきにも非ず、また大学者たるべきにも非ず。
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)