“吐(こ)” の例文
太平楽吐(こ)くな。ええ。このケダモノが……何かあ。貴様が死(しに)さえすれあ二十円取れる。市役所へ五十銭附けて届けれあ葬式は片付く。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
また、千太がね、あれもよ、陸(おか)の人魂(ひとだま)で、十五の年まで見ねえけりゃ、一生逢(あ)わねえというんだが、十三で出っくわした、奴(やつ)は幸福(しあわせ)よ、と吐(こ)くだあね。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何吐(こ)く、免許地の女共はな、遊び場所は町にはなくて砂山の上だ、みんな日の目を見ないので顏色がわるくてな、われのお母もその中にまじつてゐたつけ
命 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
その時だよ、大笑いをやらかしたのは! おれと一緒だったペレペンジェフの野郎がね、『こいつあ、チチコフがいたら、持ってこいだがなあ!……』って吐(こ)きやがるのさ。
母「あゝ云う言抜(いいぬけ)を吐(こ)きゃアがる、気い引(ひい)て見たなどゝ猶更置く事は出来ねえから出て行け」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「この人(ふと)は。馬鹿吐(こ)くでねえ。俺(おら)の年でハア、惚れるのなんのちゅう事があるもンけえ」
青服の男 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
「何(に)ゃ事(ごと)吐(こ)くきゃ、此畜生(こんちくしょう)! あら厭(いや)ばん、此方(こなた)のそくしゃあか、冗談(ぞうだん)しんさんな」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「何奴(どいつ)だア、何ヨグズグズ吐(こ)きゃアある、土性ッ骨ヒッ挫(くじ)かれねエ用心しろイ」
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
云う事うにもことう欠(け)えて、まあ何(あ)んたらことう吐(こ)くだ!
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「要(い)らんこと吐(こ)くな!」
夏蚕時 (新字旧仮名) / 金田千鶴(著)
馬鹿奴(ばかめ)え。何を吐(こ)きくさる。ワレのような小僧に何がわかるか。あの逆立ちは芸当の小手調べチウて、芝居で云うたらアヤツリ三番叟(さんばそう)や。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あに、はい、墓さ苞入(つといり)に及ぶもんか、手間障(ざい)だ。また誰も見ていねえで、構いごとねえだ、と吐(こ)いての。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勝「こいつが又馬鹿を吐(こ)きやがる、最(も)う承知がならねえ、野郎何うするか見アがれッ」
「鑑札たあ何だ。何を吐(こ)くだ。」
命 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
それを苦にした母親が瘠せ細って死ぬる。折角来てくれた女房までもが見損のうたと吐(こ)いて着のみ着のままで逃げてしもうた。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「なにバカ吐(こ)く奴は淺吉か。」
命 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
と吐(こ)くでねえか。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『ナニ。生きとるかも知れん。馬鹿吐(こ)け。見てんやい。眼球ア白うなっとるし、睾丸(きんたま)も真黒う固まっとる。浅蜊(あさり)貝の腐ったゴト口開けとる奴(と)ばドウするケエ』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「嘘吐(こ)け……お前の女だろうが」「馬鹿云えコン畜生」「シッシッ」
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「嘘吐(こ)け。俺あ見てたんだぞ……」
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「……嘘吐(こ)け……」
オンチ (新字新仮名) / 夢野久作(著)