“謝(わ)” の例文
その罪の恐ろしさは、なかなか贖(あがな)うべき術(すべ)のあるべきに非(あら)ず、今もなお亡き父上や兄上に向かいて、心に謝(わ)びぬ日とてはなし。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
かつは清吉を戒むること足らざりしを謝(わ)び、のっそり夫婦が様子を視(み)るに十兵衛は例の無言三昧、お浪は女の物やさしく
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
慰安の旅行も果さないで先立つということを、そんな、とぼけたやりかたで、謝(わ)びていたものでもあったろう。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ゆるせの、謝(わ)びるのと、まあなんというお言葉です。わたしとてもお前さまの真心を
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
私は苦しみ悶(もだ)えて、しかし、そのように「好意ある偽の証言」をするまで佐治さんを愛していなかったことを、今、ハッキリと知りました。そして、せめてそれが、漆戸へのお謝(わ)びだと思っています。
偽悪病患者 (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)