“発(か)” の例文
旧字:發
もしこんなことを女主人(おんなあるじ)にでも嗅付(かぎつ)けられたら、何(なに)か良心(りょうしん)に咎(とが)められることがあると思(おも)われよう、そんな疑(うたがい)でも起(おこ)されたら大変(たいへん)と、彼(かれ)はそう思(おも)って無理(むり)に毎晩(まいばん)眠(ね)た振(ふり)をして、大鼾(おおいびき)をさえ発(か)いている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
さて太夫はなみなみ水を盛りたるコップを左手(ゆんで)に把(と)りて、右手(めて)には黄白(こうはく)二面の扇子を開き、やと声発(か)けて交互(いれちがい)に投げ上ぐれば、露を争う蝶一双(ひとつ)、縦横上下に逐(お)いつ、逐われつ、雫(しずく)も滴(こぼ)さず翼も息(やす)めず
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)