“漉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こ58.1%
す32.4%
こし2.7%
すき2.7%
ご1.4%
ず1.4%
ずき1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
近い岸より、遠い山脈が襞目(ひだめ)を碧落(へきらく)にくつきり刻み出してゐた。ところどころで落鮎(おちあゆ)を塞(ふさ)ぐ魚梁(やな)の簾(す)に漉(こ)される水音が白く聞える。
川 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
浪間と浪の陰に当るところは、金沙(きんさ)を混ぜた緑礬液(りょくばんえき)のように、毒と思えるほど濃く凝って、しかもきらきら陽光を漉(す)き込んでいる。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それを皆(み)んな混て一旦(いったん)沸立(にた)たせて布巾(ふきん)で漉(こし)てレモン油を小匙に軽く一杯加えて大きなブリキ鉢かあるいはゼリー型へ入て氷で凍(ひや)し固めます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
花卉(かき)も面白いが、鬼の念仏や閻魔(えんま)さまが得意、お堂のわきへ台をすえ、寒冷紗や漉(すき)返しの紙に描いた自画の上へ、小石を置いて飛ばぬように並べて売っていた。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
鰹のたたき、あいなめの煮物、船で作った絹漉(ご)しの冷奴、大根の風呂吹き。これだけあれば食いきれないのだけれど、次に出た鯨肉の水たきが俄然食欲を煽動する。
海豚と河豚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
一枚漉(ず)きの、いはゆるキラズと呼ぶ和紙数枚にしたためた行書であつたが、その見事さは、いきなり若いわたしの心を打ち、わたしは数金を投じてただちにこれを額に仕立てずにはゐられなかつた。
秋艸道人の書について (新字旧仮名) / 吉野秀雄(著)
生漉(ずき)の鳥の子で四五帖分はある。大分古いものらしい。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)