“毫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ごう72.9%
がう12.1%
すこし6.9%
すこ4.0%
つゆ0.8%
いささか0.8%
うのけ0.8%
いささ0.4%
け0.4%
ちっと0.4%
ちつと0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
君の文学は坦々として毫(ごう)も鬼面人を驚かすようなこと無く、作中に凡庸社会を描叙しながら、そのうちに無限の人間味を漂わせたり。
弔辞(徳田秋声) (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
しかもそれは刻々に、あらゆる雑念を溺らし去つて、果ては涙そのものさへも、毫(がう)も心を刺す痛みのない、清らかな悲しみに化してしまふ。
枯野抄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
取調べの結果、机の上には遺書と見るべきものが置かれてあって、他殺らしい形跡が毫(すこし)も認められなかったので、翌日埋葬を許可された。
闘争 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
撰(えら)ぶ物から功驗(しるし)は毫(すこ)しもあらずして次第漸次(しだい)に重(おも)り行き昨今にては到底(とても)此世の人には非じと醫師も云ひ吾儕共(わたくしども)も思ひますれば節角(せつかく)お娘御を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼はその妻の常に楽(たのし)まざる故(ゆゑ)を毫(つゆ)も暁(さと)らず、始より唯その色を見て、打沈(うちしづ)みたる生得(うまれ)と独合点(ひとりがてん)して多く問はざるなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
片隅なる盲翁(めくらおやじ)は、毫(いささか)も悩める気色はあらざれども、話相手もあらで無聊(ぶりょう)に堪(た)えざる身を同じ枕に倒して、時々南無仏(なむぶつ)、南無仏(なむぶつ)と小声に唱名(しょうみょう)せり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
心の底の底にも何等の淀みもなく、毫(うのけ)の先程の不安もなく、身を倚せ懸けて眞をつくすことが出來た。
古代之少女 (旧字旧仮名) / 伊藤左千夫(著)
宮は毫(いささ)かもこれも咎(とが)めず、出づるも入(い)るも唯彼の為(な)すに任せて、あだかも旅館の主(あるじ)の為(す)らんやうに、形(かた)ばかりの送迎を怠らざると謂(い)ふのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
王充(おうじゅう)の『論衡(ろんこう)』に兎の雌は雄の毫(け)を舐(な)めて孕むとある、『楚辞』に顧兎とあるは注に顧兎月の腹にあるを天下の兎が望み見て気を感じて孕むと見ゆ
お年二十二の時に悪者(わるもの)を斬殺(きりころ)して毫(ちっと)も動ぜぬ剛気の胆力(たんりょく)でございましたれば、お年を取るに随(したが)い、益々(ます/\)智慧(ちえ)が進みましたが、その後(のち)御親父(ごしんぷ)様には亡くなられ、平太郎様には御家督(ごかとく)を御相続あそばし
叱咜する度土石を飛ばして丑の刻より寅の刻、卯となり辰となるまでも毫(ちつと)も止まず励ましたつれば、数万(すまん)の眷属(けんぞく)勇みをなし、水を渡るは波を蹴かへし、陸(をか)を走るは沙を蹴かへし
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)