“殴(う)” の例文
旧字:毆
警「仏師屋じゃアない造物主、早く言えば神から下すった身体、無闇と殴(う)ち打擲して、殊に谷川へ投込むなどとは以ての外(ほか)であるぞ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「汝(わり)ゃ乞食(ほいと)か盗賊(ぬすっと)か畜生か。よくも汝(われ)が餓鬼どもさ教唆(しか)けて他人(ひと)の畑こと踏み荒したな。殴(う)ちのめしてくれずに。来(こ)」
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「私の申し上げようが手ぬるいと言っていつも私は良人(やど)に叱(しか)られるんですよ。かんしゃくを起こして酷(ひど)く私を殴(う)ちのめすんです。ほんとにやりきれやしない」
六月 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
呉が妻を殴(う)ち殺したといって告訴に及んだが、この訴訟事件は年を経ても解決せず、州郡の役人らにも処決することが出来ないので、遂に上聞(じょうぶん)に達することになって
(さらに激しく、こづき回す。甚兵衛、こづかれながら手を振り上げて、甚吉の顔を殴(う)つ)
義民甚兵衛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
鄒公(すうこう)瑾(きん)等(ら)十八人、殿前に於(おい)て李景隆(りけいりゅう)を殴(う)って幾(ほとん)ど死せしむるに至りしも、亦(また)益無きのみ。帝、金川門(きんせんもん)の守(まもり)を失いしを知りて、天を仰いで長吁(ちょうく)し、東西に走り迷(まど)いて、自殺せんとしたもう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
このピッタコスの定めた法律の中に「酔うて人を殴(う)つ者の罰は、醒(さ)めて人を殴つ者の罰に倍すべし」という規則がある(Hooker's Ecclesiastical Polity.)
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
と番頭の頭を殴(う)つ、番頭も怒(おこ)り出し、無茶苦茶に胸倉を取って表へ二人を突出し、ポンと掛金(かきがね)をかけてしまう。叔母は地べたへ転(ころが)り