“愉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たの90.4%
たのし6.1%
た0.9%
たのしみ0.9%
タヌ0.9%
タノ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あるいは愉(たの)しそうなかるい笑い声が聞えてくる。死のような静寂が周囲にみなぎっているので、その対照はあまりにも目ざましい。
姉がヴァイオリンを弾(ひ)いて伴(とも)に愉(たのし)んだある夏の夕暮だったが、いま姉も一緒につれてここをこうして旅したなら、どんなことを姉は云い出すだろうと空想したりした。
罌粟の中 (新字新仮名) / 横光利一(著)
養蚕をしている村への菜穂子や明を交(ま)じえての雨後の散歩、村はずれでの愉(た)しいほど期待に充ちた分かれ——、それだけの出会が
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
それは、空を飛下りる時の、妖しい幻影にのみ、愉(たのしみ)をつないでいる、淋しい男の姿だった。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
山料地(ヤマガタ)に蒔ける菘菜も 吉備びとゝ共にしつめば、愉(タヌ)しくもあるか(仁徳天皇——記)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
女たちの噂した所の、袈裟(ケサ)で謂へば、五十条の大衣(ダイエ)とも言ふべき、藕糸(グウシ)の上帛の上に、郎女の目はぢつとすわつて居た。やがて筆は、愉(タノ)しげにとり上げられた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)