“怎(ど)” の例文
詳しく然(さ)う言つて上げた方が可かなくつて? 被行(いらつしや)る方が可いと、まあ私だけは思ふわ。だけど怎(ど)うせ今直ぐとはいかないんですから。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
火事があったら半鐘の音ぐらい聞えそうなもんだったが、出火の報鐘(しらせ)さえ聞かなかった。怎(ど)うして焼けたろう? 怎うしても焼けたとは思われない。
「本当に君に済まない。君のやうな善良な友達を斯んなにも苦るしめて、僕は怎(ど)うしていゝか分らない……」
母 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
貴方はぢき其れが怎(ど)うした? とそふ気になつて力み返るんでせう? さう思ふと私はふんと笑ひたくなります、何でもいゝ、二人を知つてるのは二人ですはね。
獄中の女より男に (新字旧仮名) / 原田皐月(著)
「でもあのときは怎(ど)うもあんな気がしてならなかったのです。言っちゃわるかったか知ら。」
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
『アラ。』と言つて、智恵子も立つたが、怎(ど)う思つてか、外から見られぬ様に、男の背後(うしろ)に身を隠して、密(そつ)と覗いて見たものだ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「本当に君に済まない。君のような善良な友達を斯んなにも苦(く)るしめて、僕は怎(ど)うしていいか分らない……」
母 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
それらの女の肉顔は何処(どこ)で怎(ど)う見たことすら判明(はっきり)しないが、ただ、美しい女が有(も)つところの湯気のような温かみが、かれの坐っているあたりの空気をしっとりとあぶらぐませ
幻影の都市 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
(此新聞は其儘休刊が続いて、十二月になつて北海道新聞と改題して出たが、間もなく復(また)休刊。今は出てるか怎(ど)うか知らぬ。)
『モウパッサンといふ小説家は自己の告白に堪へかねて死んだと言ひますがねえ……アヽ氣持が好い、怎(ど)うです、お入りになりませんか?』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『怎(ど)うしまして、私(わたくし)こそ……。』と、脱(と)つた帽子の飾紐(リボン)に切符を揷みながら、『フム、小川の所謂近世的婦人(モダーンウーマン)が此(この)女(ひと)なのだ!』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「お前様(めえさま)ならタダで上げます。」と言つて、怎(ど)うしてもお銭(あし)を請取らなかつただらう、などと、取留(とりとめ)もない事を考へて、畏(おそ)る畏(おそ)る叔父を見た。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『けれどもねえ智惠子さん、怎(ど)うしたんだか些とも氣が逸(はず)まなかつてよ。騷いだのは富江さん許り……可厭(いやあ)ねあの人は!』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『モウパツサンといふ小説家は、自己の告白に堪へかねて死んだと言ひますがねえ……アヽ、気持が好い、怎(ど)うです、お入りになりませんか?』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
克(よ)く研究して居る癖に、怎(ど)うして今日は土曜日だといふ事を忘却して居たものであらう、誠に頓馬な話である。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
一夜(ひとよ)、伯母やお苑さんと随分夜更くるまで語り合つて、枕に就いたのは遠近(をちこち)に一番鶏の声を聞く頃であつたが、翌くる朝は怎(ど)うしたものか、例になく早く目が覚めた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一夜(ひとよ)、伯母やお苑(その)さんと隨分夜更くるまで語り合つて、枕に就いたのは、遠近(をちこち)に一番鷄の聲を聞く頃であつたが、翌くる朝は怎(ど)うしたものか、例になく早く目が覺めた。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
叔父の事にしては、家が怎(ど)うならうと、妻子が甚麽(どんな)服装(なり)をしようと、其麽(そんな)事は従頭(てんで)念頭にない。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『イヤ、立花さんでアごあせんか? こりや怎(ど)うもお久振でごあんした喃(なあ)。』
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『イヤー立花さんでアごあせんか? これや怎(ど)うもお久振でごあんした喃(なあ)。』
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)