“寂寥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せきりょう78.6%
せきれう8.3%
さびしさ5.5%
せきりよう1.4%
しん1.4%
ひっそり1.4%
さびし0.7%
さびしみ0.7%
さびしら0.7%
さみしさ0.7%
さみしら0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
近所への人づきあいもせずに、夜遅くまで書物(かきもの)をしていた蕪村。冬の寒夜に火桶(ひおけ)を抱えて、人生の寂寥(せきりょう)と貧困とを悲しんでいた蕪村。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
次第に幼い頃の空気がかれの心の周囲に集り且(か)つ醸(かも)されて来るのを覚えた。最早始めに来た時に感じたやうな「孤独」と「寂寥(せきれう)」とをかれは感じなかつた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
高瀬は屋外(そと)まで洋燈(ランプ)を持出して、暗い道を照らして見せたが、やがて家の中へ入って見ると、余計にシーンとした夜の寂寥(さびしさ)が残った。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
(前略)妖火静まつて後を見れば、寂寥(せきりよう)として一物無く、家屋広園悉く潰え、白骨塁々雑草離々人語鳥声聞ゆるもの無し。而て白骨は彼の家人、即ち妾婢幼児なりき。
高島異誌 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
にわかに暗くなった雪の山、その白雪を踏みしだき大勢の足音が聞こえたが、それも次第に遠退いて行き、寂寥(しん)として人影もない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
前には榊や椿や山黄楊(いぬつげ)などが植えられてあった。鳥より他には声を立てるもののないような、その寂寥(ひっそり)とした森の中から、祠は一目に農耕の部落(むら)を俯瞰(ふかん)していた。
或る部落の五つの話 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
停車場(ば)の時計、六時を五分過ぎ、下りの汽車を待つ客七、八人、声立てて語るものなければ寂寥(さびし)さはひとしおなり。ランプのおぼつかなき光、隈々(くまぐま)には届きかねつ。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
気まぐれな不摂生(ふせつせい)のあとの痛(いた)ましい寂寥(さびしみ)
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
世は寂寥(さびしら)の眞晝時(まひるどき)
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
私はいつか千代子と行き会ったかの橋の欄干(おばしま)に倚(よ)って、冬枯れの曠野(ひろの)にションボリと孤独(ひとりみ)の寂寥(さみしさ)を心ゆくまでに味わうことも幾たびかであった。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
寂寥(さみしら)や、空の色なほ紅(あけ)ににほひのこれど
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)