“宣(い)” の例文
楽々と書いている癖に「これで宣(い)いのか」「そんな事でお前は満足しているのか」と、絶えず何物かにのしかかられて居るのである。
捕物小説のむずかしさ (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
『女の方は——ったって、首も何もくっついちゃあいないといって宣(い)いだろう、ぼんのくぼの甘皮一枚で僅かに胴と続いてるだけの話だ……』
『浪人を止めて己(おれ)の身売(みうり)を為(し)ても宣(い)いが、評判の善(よ)くない己(おれ)の事だから世話の仕手(して)も有るまいて。』
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
山一ッ下に小さく見えていた樵夫(きこり)に、ある丈(だけ)の声を出しで途を聞いたが、矢張上って来た途を降(くだ)るのが宣(い)いらしいので、樵夫は又、早く降りないと夜になるぞと励ますように言い足した。
武甲山に登る (新字新仮名) / 河井酔茗(著)
モーセ時にその血の半ばをとりて鉢に盛(い)れまたその血の半ばを壇の上に灌(そそ)げり。しかして契約の書をとりて民に誦(よ)みきかせたるに彼ら応えて言う、エホバの宣(い)う所は皆我らこれをなして遵(したが)うべしと。