“囲(ゐ)” の例文
旧字:圍
二人(ふたり)が表てゞ並(なら)んだ時、美禰子は俯向(うつむい)て右の手を額(ひたひ)に当(あ)てた。周囲(ゐ)は人が渦(うづ)を捲(ま)いてゐる。三四郎は女の耳へ口(くち)を寄せた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
陽炎(かげらふ)は、爾(しか)く、村里(むらざと)町家(まちや)に見(み)る、怪(あや)しき蜘蛛(くも)の囲(ゐ)の乱(みだ)れた、幻影(まぼろし)のやうなものでは無(な)く、恰(あだか)も練絹(ねりぎぬ)を解(と)いたやうで、蝶(てふ/\)のふわ/\と吐(つ)く呼吸(いき)が、其(その)羽(はね)なりに飜々(ひら/\)と拡(ひろ)がる風情(ふぜい)で
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)