“噫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ああ52.8%
あゝ25.5%
おくび18.9%
あ0.9%
あツ0.9%
げっぷ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かうしてゐる間(ま)も宮の事は忘れかねる、けれど、それは富山の妻になつてゐる今の宮ではない、噫(ああ)、鴫沢の宮! 五年前(ぜん)の宮が恋い。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
手(て)を見(み)ると竦(ぞつ)とする。鱗(こけ)のある鉛色(なまりいろ)の生物(いきもの)のやうに、眼(め)の前(まへ)にそれが動(うご)いてゐる。噫(あゝ)、切(き)つて了(しま)ひたい。此手(このて)の触(さは)つた所(ところ)も忌(いま)はしい。
ただ先方はどこまでも下手(したで)に出る手段を主眼としているらしく見えた。不穏の言葉は無論、強請(ゆすり)がましい様子は噫(おくび)にも出さなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
噫(ああ)、噫(あ)、世も許し、人も許し、何よりも自分も許して、今時も河岸をぞめいているのであったら、ここでぷッつりと数珠を切る処だ!……思えば、むかし、夥間(なかま)の飲友達の、遊び呆(ほう)けて
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
聲(こゑ)の中(なか)に噫(あツ)と一聲(ひとこゑ)、床几(しやうぎ)から轉(ころ)げ落(お)ちさう、脾腹(ひばら)を抱(かゝ)へて呻(うめ)いたのは、民子(たみこ)が供(とも)の與曾平親仁(よそべいおやぢ)。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そうかと思うと噫(げっぷ)のような溜息(ためいき)を洩(も)らして自分の無学をさも情(なさけ)なさそうに恨(うら)んだ。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)