“哭(ね)” の例文
雲隠れに貌(すがた)も見えず鳴いてゆく鳥の如く、ただ独りで忍び泣きしてばかりいる、というので、長歌の終に、「彼(か)に此(かく)に思ひわづらひ、哭(ね)のみし泣かゆ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
あかねさす昼は物思(ものも)ひぬばたまの夜はすがらに哭(ね)のみし泣かゆ 〔巻十五・三七三二〕 中臣宅守
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
慰(なぐさ)むる心(こころ)はなしに雲隠(くもがく)り鳴(な)き往(ゆ)く鳥(とり)の哭(ね)のみし泣(な)かゆ 〔巻五・八九八〕 山上憶良
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)