“吁(あ)” の例文
もしもその本名を此処に真正直(ましょうじき)に書きたてるならば、それが余りにも有名な人物なので、読者は吁(あ)ッと驚いてしまうだろう。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
常人(つねなみのひと)ならば吁(あ)といひて逃(にぐ)べきに、さはなくてその方に身を対(むけ)てつら/\見るに、斯(かう)闇(くら)くなりしにかゝるものゝあり/\と見ゆるもたゞ人ならじと猶よく見れば
「吁(あ)ッ——」と声をあげて、柿丘は頬っぺたを平手で拭(ぬぐ)ったが、反射的に、その生まぬるいものの付着した掌(て)を、グッと顔の前にさしだした。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
御坊(ごばう)こそくせをいだしてふねこぎ玉ふらめ、吁(あ)、音(おと)たかししづかにいへ、幽霊を見るともかまへて音をたて玉ふな、といひつゝ手作(てさく)とて人にもらひたる烟草(たばこ)のあらく刻(きざみ)たるもやゝ吸(すひ)あきて
女はみな吁(あ)といひてうつぶして愕然(おびえ)迷(まど)ひ、男はみな立あがりておどろきけり。
「吁(あ)ッ、川波大尉」駭(おどろ)いたように軍医はそれを遮(さえぎ)った。「まだ栄螺は、こっちにもドッサリありますから、こっちのをおとり下さい。なにも、星宮君が陶酔(とうすい)している分をお取りなさらなくても……」
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「吁(あ)ッ」と叫んで、顔をそむけた。
仲々死なぬ彼奴 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「吁(あ)ッ、痛ッ!」
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「吁(あ)ッ!」
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「吁(あ)ッ!」
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)