“世(ヨ)” の例文
九人は、完全に現(ウツ)し世(ヨ)の庶民の心に、なり還つて居た。山の上は、昔語りするには、あまり寂しいことを忘れて居たのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
夫(ソレ)人間(ニンゲン)ノ浮生(フジヤウ)ナル相(サウ)ヲツラツラ觀(クワン)ズルニ、オホヨソハカナキモノハ、コノ世(ヨ)ノ始(シ)中(チユウ)終(ジユウ)マボロシノゴトクナル一期(イチゴ)ナリ、——てれくさくて讀まれるものか。べつなのを讀みませう。
陰火 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
唯うつとりと、塔の下(モト)から近々と仰ぐ、二上山の山肌に、現(ウツ)し世(ヨ)の目からは見えぬ姿を惟(オモ)ひ觀(ミ)ようとして居るのであらう。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
唯うつとりと、塔の下(モト)から近々と仰ぐ、二上山の山肌に、現(ウツ)し世(ヨ)の目からは見えぬ姿を惟(オモ)ひ觀(ミ)ようとして居るのであらう。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
唯うつとりと、塔の下(モト)から近々と仰ぐ、二上山の山肌に、現(ウツ)し世(ヨ)の目からは見えぬ姿を惟(オモ)ひ観(ミ)ようとして居るのであらう。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
神の純化が遂げられてゐなかつた頃の人々は、目に見えぬ力として、現(ウツ)し世(ヨ)の姿を消した人の霊をも、神と一列に幡もて、招(ヲ)ぎよすべきものと信じたのである。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
唯、他人(ヒト)の手に觸れさせたくない。かう思ふ心から、解いては縫ひ、縫うてはほどきした。現(ウツ)し世(ヨ)の幾人にも當る大きなお身に合ふ衣を、縫ふすべを知らなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
唯、他人(ヒト)の手に觸れさせたくない。かう思ふ心から、解いては縫ひ、縫うてはほどきした。現(ウツ)し世(ヨ)の幾人にも當る大きなお身に合ふ衣を、縫ふすべを知らなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
唯、他人(ヒト)の手に触れさせたくない。かう思ふ心から、解いては縫ひ、縫うてはほどきした。現(ウツ)し世(ヨ)の幾人にも当る大きなお身に合ふ衣を、縫ふすべを知らなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「とし」と言ふ語が、米穀物の義から出て、年を表すことになつたと見る方が正しいと同じく、此と同義語の「よ」が、齢(ヨ)・世(ヨ)など言ふ義を分化したものと見られる。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
としといふ語が米又は穀物の義から出て年(トシ)を表す事になつたと見る方が、正しい様であるとおなじく、同義語なる「よ」が、齢(ヨ)・世(ヨ)など言ふ義を分化したものと見られる。
丑刻(ウシ)に、靜謐の頂上に達した現(ウツ)し世(ヨ)は、其が過ぎると共に、俄かに物音が起る。月の、空を行く音すら聞えさうだつた四方の山々の上に、まづ木の葉が音もなくうごき出した。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
丑刻(ウシ)に、靜謐の頂上に達した現(ウツ)し世(ヨ)は、其が過ぎると共に、俄かに物音が起る。月の、空を行く音すら聞えさうだつた四方の山々の上に、まづ木の葉が音もなくうごき出した。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)