“むご”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムゴ
語句割合
酷43.6%
虐30.1%
惨13.8%
慘3.8%
惨酷2.4%
残酷2.1%
無残1.0%
夢語0.7%
刻0.3%
苛0.3%
凄惨0.3%
婿0.3%
慘酷0.3%
残忍0.3%
残虐0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私(わたし)は、そんな酷(むご)い事をしたおぼえはないがと、赤とんぼが、首をひねって考えましたとき、おじょうちゃんが大声でさけびました。
赤とんぼ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「神や佛が、そんな虐(むご)たらしい事をする道理は無いぢやありませんか、ね親分。五人の子供の親達の歎きは、見ちや居られませんよ」
手術をすれば、たぶん癒(なお)るであろうが、青木の親たちは、手術は惨(むご)いから忍びないと言って、成行に委(まか)すことにしたのであった。
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
うれはしきクレオパトラは今もこの物の爲に泣く、彼はその前より逃げつゝ、蛇によりて俄(にはか)なる慘(むご)き死を遂(と)げき 七六—七八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それに連れて眼の前に惨酷(むご)たらしい『狂人焚殺(ふんさつ)』の絵額や、ニコニコしている斎藤博士の肖像や、蒼白い、真面目な若林博士や、緑色に光る大卓子(テーブル)や
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
けれども残酷(むご)たらしく摧(くだ)かれたその花と茎の憐(あわ)れな姿を見るや否や、彼はすぐまた一種の果敢(はか)ない気分に打ち勝たれた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あの音のガンガン鳴り続けいる中(うち)なら、妾(わたし)たちがドンナに無残(むご)い殺されようをしても村の人には聞えやせんでなあ。一知は村の者から頼まれて、私たちを殺しに来た奴かも知れんと思うがなあ。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
影のように奇妙な人物——あの老いぼれのおしゃれや、船の奥にいるやぎひげなどが、なんともつかぬしぐさや、わけのわからぬ夢語(むご)をともなって、この休息者の脳のなかを通って行った。
貴嬢(きみ)が掌に宝丹移せし時、貴嬢(きみ)は再びわが顔を打ち守りたまいぬ、うるみたる貴嬢の目の中には、むしろ一匙(さじ)の毒薬たまえ刻(むご)き君とのたもう心鮮(あざ)やかに読まれぬ。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
われに渡しければわれ直ちに薬を掬(すく)いて貴嬢が前に差しいだしぬ、この時貴嬢(きみ)が眼(まなこ)うるみてわが顔を打ち守りたまいたる、ああ刻(むご)き君かなとのたまいしようにわれは覚えぬ。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
湯河原じゃア知らねい者は無(ね)いだけんどね、私(わし)イ一番よく知ってるというのア、その孩児(ねゝっこ)……今じゃア此様(こん)なに大(でか)くなってるが、生れたばかりのお前(めえ)さんを苛(むご)くしたのを
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ハア覚(おべ)えていやすとも、苛(むご)い人だと思ったから忘れねいのさ、男の方は廿五六でもあったかね。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
見る見る乱脈な凄惨(むご)たらしい姿に陥って行く、その間(かん)に表現(あらわ)れて来る色と、形との無量無辺の変化と、推移は、殆ど形容に絶した驚異的な観物(みもの)であったろうと思われる。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それは冬のことで、私は叔母と一緒に橇の隅へうずくまつてゐると、橇の動きだす前に私のすぐ上の兄が、婿(むご)、婿(むご)と私を罵つて橇の幌の外から私の尻を何邊もつついた。
思ひ出 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
慘酷(むご)い/\汝(おのれ)めには滅(ほろぼ)されたのぢゃ! おゝ、戀人(こひゞと)よ! 我(わが)命(いのち)よ! いや/\、命(いのち)とは言(い)はれぬ、死(し)んでしまうてゐやる我(わが)戀人(こひびと)!
それにしても、お種だけならいざ知らず、科(とが)もゆかりもないお鳥まで殺(あや)めてしまうとは、何たる非道か奴でござりまッしょうか。鬼というてもこうまで残忍(むご)かことはいたしますまい
だがもう、どんな屍を見ても、残虐(むご)いとも、哀れとも二人は感じなくなっていた。そうした神経だったのに、武蔵は何に驚いたのか、又八もぎょっとして足をすくめ
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)