“飮(や)” の例文
新字:飲
「召あがりますか、じゃありませんよ。何を一緒にやりましょうと仰しゃい。ねえ、ひとつ一緒に飮(や)ろうじゃありませんか、いかがです」
『橘さんは餘り飮(や)らん方ですね。』と云つた樣な機會(きつかけ)から、日下部君と志田君の間に酒の論が湧いて、寢酒の趣味は飮んでる時よりも飮んで了つてからにある
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「君も此頃では飮(や)るんでせう。激しい勞働をするものにとつては生理的な必要物らしいからね。」
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
バスケツトとも言(い)はず外套(ぐわいたう)にあたゝめたのを取出(とりだ)して、所帶持(しよたいもち)は苦(くる)しくつてもこゝらが重寶(ちようはう)の、おかゝのでんぶの蓋(ふた)ものを開(あ)けて、さあ、飮(や)るぞ! トンネルの暗闇(やみ)に彗星(はうきぼし)でも出(で)て見(み)ろと
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
「ちょうど二杯分殘ってる、きれいな飮み滓がね。じゃあ飮(や)りましょう、かちんとゆきましょうぜ! さ、どうぞ杯をお取りなすって。」
『醉つて? 然(さ)うです、少し飮(や)つて來ました。だが女一人で此路は危險(けんのん)ですぜ。』
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「これを飮(や)ってらっしゃるところじゃなかったんですか?」とヴェリチャーニノフはシャンパンを指さした。