“辺塞”の読み方と例文
読み方割合
へんさい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ、今夜のうちに囲みを突いて外に出、各自鳥獣と散じて走ったならば、その中にはあるいは辺塞(へんさい)に辿(たど)りついて、天子に軍状を報告しうる者もあるかもしれぬ。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
と言(い)はうとして、ふと己(おのれ)を顧(かへり)みて呆(あき)れ返(かへ)つた。這個(この)髯斑(ひげまだら)に眼(まなこ)円(つぶら)にして面(おも)赤(あか)き辺塞(へんさい)の驍将(げうしやう)に対(たい)して、爾(しか)き言(こと)を出(だ)さむには、当時(たうじ)流行(りうかう)の剣劇(けんげき)の朱鞘(しゆざや)で不可(いけず)、講談(かうだん)ものゝ鉄扇(てつせん)でも不可(いけな)い。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
九月に北へ立った五千の漢軍(かんぐん)は、十一月にはいって、疲れ傷ついて将を失った四百足らずの敗兵となって辺塞(へんさい)に辿(たど)りついた。敗報はただちに駅伝(えきでん)をもって長安(ちょうあん)の都に達した。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)