“蒸(ふ)” の例文
饅頭(まんじゅう)を蒸(ふ)かしていた泥竈(へっつい)の下から、おやじが、火のついている薪(まき)を一本抛(ほう)りつけると、それは城太郎にはあたらないで、軒下につないであった老馬の脚にぶつかった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よく蒸(ふ)けているか色艶はいいかどうかを調べるんだわ、こうして固さや柔らかさや蒸け加減や色艶をためしているうちに、口のなかへ程よく生唾が湧(わ)いてくる、それから静かに割るんだけれど
若殿女難記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
雪で、今日は新聞が来(こ)ぬ。朝は乳屋(ちちや)、午後は七十近い郵便(ゆうびん)配達(はいたつ)の爺(じい)さんが来たばかり。明日(あす)の餅搗(もちつ)きを頼んだので、隣の主人(あるじ)が糯米(もちごめ)を取りに来た。其ついでに、蒸(ふ)かし立ての甘藷(さつまいも)を二本鶴子に呉(く)れた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
お芋(いも)の蒸(ふ)けるのを、子(こ)ども等(ら)と
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
鹿児島の蒸(ふ)かせるは
生活のうるほひ (新字旧仮名) / 岸田国士(著)