“濡(し)” の例文
オオ父上かと、人前をも恥じず涙に濡(し)める声を振り絞(しぼ)りしに、皆々さこそあらめとて、これも同情の涙に咽(むせ)ばれぬ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
余は湯壺(ゆつぼ)の傍(わき)に立ちながら、身体(からだ)を濡(し)めす前に、まずこの異様の広告めいたものを読む気になった。真中に素人(しろうと)落語大会と書いて、その下に催主(さいしゅ)裸連(はだかれん)と記してある。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)