“採(ト)” の例文
軍井(グンゼイ)未(イマ)ダ達セズ、将渇(カツ)ヲ曰(イ)ハズ。軍幕未ダ弁(ベン)ゼズ、将倦(ウ)ムヲ曰ハズ、軍竈(サウ)未ダ炊(カシ)ガズ、将飢ヱヲ曰ハズ、冬、裘(キウ)ヲ暖ニセズ、夏、扇(セン)ヲ採(ト)ラズ、雨ニ蓋(ガイ)ヲ張ラズ。是ヲ、将ノ礼トイフ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
古代の皇后は、その常に、聖事として、清き水と、清き水を以て天子の大御身を清める行事と、清き水の聖事をとり行ふ時の採(ト)り物(モノ)に関することは、躬らお行ひにならねばならなかつた。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
祭り日の市場(イチ)には、村人たちは沢山の供へ物を用意して、山の神の群行或は山姥の里降りを待ち構へた。山の神・山姥の舞踊(アソビ)の採(ト)り物(モノ)や、身につけたかづら・かざしが、神上げの際には分けられた。
山のことぶれ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)