“捺(な)” の例文
大事の曙光(しょこう)に一抹(まつ)の黒き不安を捺(な)すってしまった! もし向後(こうご)渭山(いやま)の城に妖異のある場合はいよいよ家中の者に不吉を予感さするであろう。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朱(しゅ)を捺(な)すったような顔に、青すじを膨(ふく)らませて、河和田の平次郎は、こよいも、仕事袴(ばかま)も脱(と)らずに、帰るとすぐ膳の酒に向ってまた例のわめきだった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)