“抑(と)” の例文
といひ、彼聞きて、今は心を安んぜよ、我わが義務(つとめ)を果して後行かざるべからず、正義これを求め、慈悲我を抑(と)むといふに似たりき —九三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
祖父は歿(な)くなる、親は追出す、もう誰一人その我儘(わがまゝ)を抑(と)めるものが無くなつたので、初めの中は自分の家の財産を抵当に、彼方(あつち)此方(こつち)から金を工面して、猶(なほ)その放蕩(はうたう)を続けて居た。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「ミーちゃんが、ところが、いけないと抑(と)めているらしいんで、奴(やっこ)は但馬(たじま)さんのところへ、どうしたもんかと、——つまりお伺いですな。但馬大明神に手紙でお伺いを立てているらしいですよ」
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)
そは汝も汝の父も貪焚(むさぼり)のためにかの地に抑(と)められ、帝國の園をその荒るゝにまかせたればなり 一〇三—一〇五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
恩惠(めぐみ)の時いたれる後には、クリストの全き洗禮(バッテスモ)を受けざる罪なき稚兒(をさなご)かの低き處に抑(と)められき 八二—八四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)