“扈(こ)” の例文
彼れ嘉永三年鎮西(ちんぜい)の山川を跋渉(ばっしょう)し、四年藩主の駕に扈(こ)して江戸に到り、相房形勢の地を按じ、さらに東北に向って遠征を試みんと欲し、肥後(ひご)の人宮部鼎蔵(ていぞう)と
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
東には撲天鵰(はくてんちょう)の李応(りおう)さま一族がひかえ、西には扈(こ)の大旦那をかしらに、あだ名を一丈(じょう)青(せい)といって、ひとり娘だが、扈三娘(こさんじょう)というたいした腕前の女将軍もおいでなさる
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戊辰ノ春正月、母川田氏汝ヲ挙ゲテ纔(わずか)ニ数日、予西京ヨリ帰ツテ居ルコト半年、徴ニ応ジテ再ビ京ニ入ル。明年己巳ノ春三月東巡ニ扈(こ)シ路次暇ヲ乞ウテ家ニ帰ル。汝能(よ)ク匍匐(ほふく)シ喃喃(なんなん)トシテ語ヲ学ブ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その間僅(わず)かに三十年、而(しこう)して彼が社会に馳駆(ちく)したるは嘉永四年侯駕(こうが)に扈(こ)して江戸に赴(おもむ)きたるより以来、最後の七、八年に過ぎず。彼の社会的生涯かくの如く短命なり。彼果して伝うべきものあるか。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)