“懾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おそ66.7%
おび33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父忠兵衛も牧も、少女の意の斥(さ)す所を暁(さと)っていたが、父は憚(はばか)って肯(あえ)て制せず、牧は懾(おそ)れて咎めることが出来なかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「由(ゆう)よ。吾(われ)汝に告げん。君子楽(がく)を好むは驕(おご)るなきがためなり。小人楽を好むは懾(おそ)るるなきがためなり。それ誰(だれ)の子ぞや。我を知らずして我に従う者は。」
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
そのとき車夫はいっせいに吶喊(とっかん)して馬を駭(おど)ろかせり。馬は懾(おび)えて躍り狂いぬ。車はこれがために傾斜して、まさに乗り合いを振り落とさんとせり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
扇沢から吹き颺(あ)げられた千切れ雲が気紛れに手を伸して、時々祖父(じい)岳の額を撫でに来るが、双尖を聳やかした鹿島槍ヶ岳の威容に懾(おび)えて、慌てたように黒部の大谷に逃げ込む。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)