“懶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ものう69.7%
なま10.9%
だる8.0%
もの4.6%
だ1.3%
だら1.3%
たゆ0.8%
ものぐ0.8%
う0.4%
うと0.4%
けだる0.4%
しどけな0.4%
な0.4%
ものうげ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
室(へや)に入つて洋燈(ランプ)を點けるのも懶(ものう)いので、暫くは戲談口(じやうだんぐち)などきき合ひながら、黄昏(たそがれ)の微光の漂つて居る室の中に、長々と寢轉んでゐた。
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
王成(おうせい)は平原(へいげん)の世家(きゅうか)の生れであったが、いたって懶(なま)け者であったから、日に日に零落(れいらく)して家は僅か数間のあばら屋をあますのみとなり
王成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
彼(かれ)は自分(じぶん)の燐寸(マツチ)を探(さが)しに狹(せま)い戸口(とぐち)へ與吉(よきち)をやらうとした。與吉(よきち)は甘(あま)えて否(いな)んだ。彼(かれ)はどうしても懶(だる)い身體(からだ)を運(はこ)ばねばならなかつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
髯の薄い、いつも懶(もの)ぐさい風で患者を扱うので、伸子が嫌いな医者が、その日は当番であった。彼は伸子の挨拶に
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
まだ乾き切らない湿気と鈍い日差しが皆の心も体も懶(だ)るくさせて、天気に感じ易い私は非常に不調和な気分になって居た。
追憶 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
三人は人数の少いだけ御利益(ごりやく)も多からうと、胸をわく/\させてゐると、程なく汽車は夜通し駆け廻つて懶(だら)けきつた身体(からだ)を廊下(プラツトフオーム)へ横たへた。
さながら老(お)いし葬式女(はうりめ)の、懶(たゆ)げに被衣(かづき)引延(ひきは)へて
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫、薄田淳介(著)
出がらしになつた急須の茶滓を茶碗の一つに空けて、机の下から小さい鐵葉(ブリキ)の茶壺を取出したが、その手付がいかにも懶(ものぐ)さ相で、私の樣な氣の早い者が見ると、もどかしくなる位緩々(のろ/\)してゐる。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
いまは筆とることのもの懶(う)く
忘春詩集:02 忘春詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
お秋さんは餘計にはいはぬ。何處までも懶(うと)ましいのである。唯かういふことがあるのだ。此山蔭では蛙を「あんご」といふことや、蟷螂(かまきり)を「けんだんぼう」といふのだといふことやである。
炭焼のむすめ (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
『ワツハハ。』懶(けだる)い笑方をして、松太郎は顔を上げた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
背向(そがひ)に臥して懶(しどけな)く
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
篠田は語り継(つづ)く「人間の尤(もつと)も耻づかしいのは、虚言(うそ)を吐くことです、喧嘩(けんくわ)することです、懶(な)まけることです」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「唯静かに老い朽ちたい。」……その外は何も考へなかつた。姫君は話を聞き終ると、白い月を眺めたなり、懶(ものうげ)げにやつれた顔を振つた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)