“得(エ)” の例文
「得(エ)」「可愛(エ)」「榎(エ)」「荏(エ)」などの諸語の「え」には衣依愛哀埃など(甲)類に属する文字を用いて延曳叡要などを用いず
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
「——寸草(スンソウ)留(トド)メズ、六根(コン)清浄(ショウジョウ)ナリ。汝ノタメ剃ッテ除キ、争競(ソウキョウ)ヲ免(マヌ)ガレ得(エ)セシム。……咄(ト)ツ、ミナ剃リ落セ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
男が生存のために、最も低俗な水準からであるとしても、俺のとり得(エ)はどこかということは、考える。学生時代から考える。そのような人的マサツが早くからある。
家郷追放(カキョウツイホウ)、吹雪(フブキ)ノ中(ナカ)、妻(ツマ)ト子(コ)トワレ、三人(サンニン)ヒシト抱(ダ)キ合(ア)イ、行(ユ)ク手(テ)サダマラズ、ヨロヨロ彷徨(ホウコウ)、衆人蔑視(シュウジンベッシ)ノ的(マト)タル、誠実(セイジツ)、小心(ショウシン)、含羞(ガンシュウ)ノ徒(ト)、オノレノ百(ヒャク)ノ美(ウツク)シサ、一(イチ)モ言(イ)イ得(エ)ズ、高円寺(コウエンジ)ウロウロ
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
このことは、これらの音に宛てた万葉仮名の支那・朝鮮における字音からも、また、ア行活用の「得(エ)」が「愛」の音であり、ヤ行活用の「見え」「消え」
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
甲の類 衣、依、愛、哀、埃、英、娃、翳、榎、荏(これは「榎(エ)」「蝦夷(エゾ)」「得(エ)」等の語に用いられる)
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
「得(エ)」のような甲の類に属するものは「う」「うる」とア行に活用し「消え」「絶え」「越え」のような乙の類のものは「消ゆ」「絶ゆ」「越ゆ」とヤ行に活用します。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)