“之(し)” の例文
梅を画(か)かない日本画家はない。画題として、梅ほど画家に好かれる花はないだろう。古い水墨家では、足利期の一之(し)の梅が私は好きだ。
梅ちらほら (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雅頌(がしょう)よりして各国の国風まで収録した詩集であるが、詩は之(し)なり、志の之(ゆ)く所なりとも称し、孟子にも詩三百一言以てこれを掩(おお)えば思い邪なしともいい
婦人問題解決の急務 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
老婢はまた懐柔して防ぐに之(し)くはないと気を更(か)へたらしく、強(し)ひて優しい声を投げた。
蔦の門 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)