“駆(は)” の例文
旧字:驅
かの小窮窟な西洋の礼拝堂に貴族富豪のみ車を駆(は)せて説教を聞くに、無数の貧人は道側に黒麪包(パン)を咬んで身の不運を嘆(かこ)つと霄壌(しょうじょう)なり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
騎馬の兵士が大久保柏木(かしわぎ)の小路(こみち)を隊をなして駆(は)せ廻るのは、甚(はなは)だ五月蠅(うるさ)いものである。否(いな)五月蠅いではない癪(しゃく)にさわる。
広間は俄(にわか)に沸き立って来た。新しい酒の註文にギャルソンの駆(は)せ違う姿が活気を帯びて来た。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)