“餌(か)” の例文
深々と堀を縄(めぐ)らし、猛犬を餌(か)い、鉄条網を張り渡して、容易に里の子も近づけず、隣組の交際もありませんが、それでも週に一度、或は月に二度位
法悦クラブ (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
汝等が鋭(と)き剣は餓えたり汝等剣に食をあたへよ、人の膏血(あぶら)はよき食なり汝等剣に飽まで喰はせよ、飽まで人の膏膩を餌(か)へと、号令きびしく発するや否、猛風一陣どつと起つて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
この有様を家畜となった牛に比すればどうであろう。乳牛の如き各自の小舎に餌(か)われあるいは牧場で草を喰(た)べる時の有様は、怪しげなる者が来ても更に怖るるの風(ふう)なく安んじてその所を得ている。
デモクラシーの要素 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
美わしとみずからおもえる情を讃せよ、協(かな)えりとなす理を讃せよ、剛(つよ)しとなせる力を讃せよ、すべては我らの矛の餌(え)なれば、剣の餌なれば斧の餌なれば、讃して後に利器(えもの)に餌(か)い
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
汝(なんじ)らが鋭(と)き剣(つるぎ)は餓(う)えたり汝ら剣に食をあたえよ、人の膏血(あぶら)はよき食なり汝ら剣にあくまで喰わせよ、あくまで人の膏膩(あぶら)を餌(か)えと、号令きびしく発するや否、猛風一陣どっと起って
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
剛(つよ)しとなせる力を讚せよ、すべては我等の矛の餌なれば、剣の餌なれば斧の餌なれば、讚して後に利器(えもの)に餌(か)ひ、よき餌をつくりし彼等を笑へ、嬲らるゝだけ彼等を嬲れ、急に屠るな嬲り殺せ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)