“譴(せ)” の例文
友は我を拉(ひ)いて市長(ボデスタ)の許に至りぬ。市長とロオザとは戲言(ざれごと)まじりに我無情を譴(せ)め、おとなしきマリアは局外に立ちて主客の爭をまもり居たり。
余が胸臆を開いて物語りし不幸なる閲歴を聞きて、かれは屡〻驚きしが、なか/\に余を譴(せ)めんとはせず、却りて他の凡庸なる諸生輩を罵りき。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
これは酒を好む者を咎めずに盃を勧めた人を譴(せ)めるような論で、ラクーンが食物を獲るごとに洗わずんば喫(く)わず、猫が大便を必ず埋めるなどと異なり、豕が湿泥を好むはもっともとしても
余が胸臆を開いて物語りし不幸なる閲歴を聞きて、かれは屡〻驚きしが、なか/\に余を譴(せ)めんとはせず、却りて他の凡庸なる諸生輩を罵りき。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
或日五百は使を遣(や)って貞白を招いた。貞白はおそるおそる日野屋の閾(しきい)を跨(また)いだ。兄の非行を幇(たす)けているので、妹に譴(せ)められはせぬかと懼(おそ)れたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
余が胸臆(きょうおく)を開いて物語りし不幸なる閲歴を聞きて、かれはしばしば驚きしが、なかなかに余を譴(せ)めんとはせず、かえりて他の凡庸なる諸生輩(しょせいはい)をののしりき。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)