“試(た)” の例文
国は小さく、民は尠(すくな)く、しかして残りし土地に荒漠多しという状態(ありさま)でありました。国民の精力はかかるときに試(た)めさるるのであります。
ほんとうに試(た)めすにはあれくらいの傑作でなくちゃ役に立たぬでな。その点君の功労は永(なが)く記念しておくだろう。しかし
死ねるか、死に切れずに降参をするか、試(た)めして見ようと云って抛(ほう)り出された時、道也はまた飄然と九州を去った。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「何とかいう独逸(ドイツ)の健康剤でございます。お医者さまに勧められて、この間から試(た)めしに服用していますの」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
唱歌の長が弓を當てて胡弓の唸(うなり)を試(た)めしてみると、樂器は忽ち哄笑(たかわらひ)や顫音(ふるへごゑ)のおどけた鳴動をして答へた。伊太利亞狂言がよく消化(こな)れずに腹の中にあるのだらう。
胡弓 (旧字旧仮名) / ルイ・ベルトラン(著)
その中には乾電池を使った、機巧の複雑なものもある。しかし実際に試(た)めしてみたところでは、そんな贅沢(ぜいたく)な器具よりも、簡単で自然なものの方が要領を得ていた。
そのためには、女性にその力を試(た)めし、その力を発展すべき機会と権利とを与えなければならない。
婦人改造の基礎的考察 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
ある時などかれは、思いものの心を試(た)めそうとして、吉弥に、その同じ商売子で、ずッと年若なのを——吉弥の合い方に呼んでいたから——取り持って見よと命じた。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
何よりも先に平馬殿の処へ参いるのが定跡(じょう)……とあの時に思うたけに、一つ平馬殿の器量を試(た)めいて見るつもりで、わざっと身共の潔白を披露せずにおいたものじゃったが。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
だから、靴を買ふ場合には先づ左足の方から穿(は)いてみて、しつくり合ふかどうかを試(た)めさなければならない。なまけ者の右足には、どんなぐす/\の靴を穿かせたつて文句はない筈である。
竿があの草色のキラキラした頭へ衝(つ)きあたった時は、どれ位いの痛さだろと思ってちょっと頬(ほっ)ぺたを平手で試(た)めして見た。も少し痛いかと思って少し強く叩(たた)いて見たがどうもまだなまぬるかった。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
*我まづ初め衆軍を試(た)めさむ(正し、かく爲すは)
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
「は、は、は、は、そは皆物好きなるわが夫(せ)の君のわれを試(た)めす戯れぞ」と笑ひき。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
否(いな)、みづから試(た)めす季節。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
試(た)めされる季節
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)