“蟠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わだかま72.6%
わだか21.5%
わだかまり2.2%
わだ1.1%
とぐろ0.7%
うずくま0.4%
はびこ0.4%
ばん0.4%
ま0.4%
わたか0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蒼白い、悲哀が女の黒髪の直後に蟠(わだかま)る無限の暗のなかに迷い入るとき、皮一重はアルコールでほてっても、腹の底は冷たい、冷たい。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
過ぐる夜の靄(もや)は墨と胡粉(ごふん)を以て天地を塗りつぶしたのですけれど、これは真白々(まっしろじろ)に乾坤(けんこん)を白殺(はくさつ)して、丸竜空(がんりゅうくう)に蟠(わだか)まる有様でありました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
姿も容(かたち)も、世にまたかほどまでに打解けた、ものを隠さぬ人を信じた、美しい、しかも蟠(わだかまり)のない言葉はあるまい。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
東京の浅草千束町——詳しく云えば千束町の一部と猿之助横町の一画全部、三町四方に蟠(わだ)かまる三百余軒の醜業窟六百余人の醜業婦は、このような理由で久しい間狙われていた。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作、杉山萠円(著)
国手、お前んはまた毎晩のように、蛇が蟠(とぐろ)を巻いておる上で、お孝といちゃついてござる勘定だ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこだけ海亀の背でも蟠(うずくま)っているかのように平野の景色の中に眼立ちます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
この草庵を建てるので、草や木を刈ってみても、伸びて欲しい植物は伸びず、醜草(しこぐさ)や邪魔な灌木(かんぼく)は、刈っても刈っても、蟠(はびこ)って仕方がない。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
官誥(かんこう)花を蟠(ばん)し
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それから蛸と同類で、現世界には化石となってのみ蹟(あと)を留むるアンモナイツは、漢名石蛇というほど蟠(ま)いた蛇に酷(よく)似いる。
ジエィンがもつと愛想(あいそ)のいゝ子供らしい性質や、もつと魅力のある、はきはきした態度——つまり、もちつと輕くて、蟠(わたか)まりが無くて、素直(すなほ)にならうと、心底(しんそこ)努(つと)めるのを、ベシーから聞くなり