“若(モ)” の例文
若(モ)し又、適当な語を知つて居たにしたところで、今はそんな事に、考へを紊(ミダ)されては、ならぬ時だつたのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
毒菌類の中にニギリタケを列して「形状一ナラズ好ンデ陰湿ノ地ニ生ズ其ノ色淡紅茎白色ナリ若(モ)シ人コレヲ手ニテ握トキハ則チ痩セ縮ム放ツトキハ忽(タチマ)チ勃起ス老スルトキハ蓋甚ダ長大ナリ」
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
抑〻(ソモソモ)天命ヲ逆(サカ)シマト為(ナ)ス者ニ非(アラ)ズシテ 何(ナン)ゾヤ 即(スナワ)チ 天ニ代ッテ吾等ノ道ヲ行ワントスル所以(ユエン)ナリ 若(モ)シソレ 盧俊儀ト石秀ノ二人ヲ故(ユエ)ナク断刑(ダンケイ)ニ処(ショ)サバ 梁山泊(リョウザンパク)数万ノ天兵ハ タチドコロニ北京ヲ焼キ払ワン 且(カ)ツ悪吏ノ一人タリトモ 鬼籍(キセキ)ノ黒簿(コクボ)ヨリ除(ノゾ)キ ソノ命ヲ助ケオクコト無カラン
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……さう思へば、若(モ)しや今、千部に満たずにしまふやうなことがあつたら、我が魂(タマ)は何になることやら。やつぱり、鳥か、虫にでも生れて、切(セツ)なく鳴き続けることであらう。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
若(モ)しや、天下に大乱でも起らなければえゝが——。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)