“繒”の読み方と例文
読み方割合
はた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜ごと日ごとに鏡に向える女は、夜ごと日ごとに鏡の傍(そば)に坐りて、夜ごと日ごとの繒(はた)を織る。ある時は明るき繒(はた)を織り、ある時は暗き繒(はた)を織る。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
シャロットの女の織るは不断の繒(はた)である。草むらの萌草(もえぐさ)の厚く茂れる底に、釣鐘の花の沈める様を織るときは、花の影のいつ浮くべしとも見えぬほどの濃き色である。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
濁世(じょくせ)にはびこる罪障の風は、すきまなく天下を吹いて、十字を織れる経緯(たてよこ)の目にも入ると覚しく、焔のみは繒(はた)を離れて飛ばんとす。——薄暗き女の部屋は焚(や)け落つるかと怪しまれて明るい。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)