“津(ツ)” の例文
博多(ハカタ)川に臨みて、以て宴遊す。……葛井(フヂヰ)・船(フネ)・津(ツ)・文(フミ)・武生(タケフ)・蔵(クラ)、六氏の男女二百三十人歌垣に供奉す。……処女らに、壮夫(ヲトコ)立ち添ひ踏みならす……。
つとのみいふも古語也つきつくつけなどいふきもくもけも用言に添る言にて元来つの一言(ヒトコト)ぞ着(ツキ)の意なりける船のつく所を津(ツ)といふにて知るべし(以下省略する)
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
後に、其意味が訣らなくなると、言葉の感じが変つて来て、「御」を敬語と考へ「津(ツ)」を独立させて了うて、支那の津(シン)の意味に、文字の上から聯想して来たのである。
古代人の思考の基礎 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
津(ツ)と言うに適した地形であっても、かならずしもどこもかしこも、津とは称えないわけなのである。後にはみつの第一音ばかりで、水を表して熟語を作るようになった。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
だから、国造の禊ぎする出雲の「三津」、八十島祓へや御禊(ゴケイ)の行はれた難波の「御津(ミツ)」などがあるのだ。津(ツ)と言ふに適した地形であつても、必しもどこもかしこも、津とは称へない訣なのである。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)