“欷歔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すすりなき22.6%
すゝりなき16.1%
ききよ16.1%
ききょ12.9%
すゝりあ6.5%
すすりな3.2%
さぐ3.2%
しやく3.2%
さぐり3.2%
しゃく3.2%
すすりあ3.2%
なきじゃ3.2%
なきじやくり3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ベッキイはしゃくり上げて来る欷歔(すすりなき)を、ごくりとのみこみながら戸を押しあけました。と、思わず彼女は声を立てました。
開いた領飾(えりかざり)の間から、半分露はれてゐる頸は、劇しい感情の為めに波立ち、欷歔(すゝりなき)の為めに張つてゐる。先づこんな美しい顔である。
クサンチス (新字旧仮名) / アルベール・サマン(著)
気落ちした様に「桐の花」の原稿を投げ棄てて小生と母と二人欷歔(ききよ)したのも——それから如何に逃れ難い悲哀の面(おもて)に面接したとはいへ
わが敬愛する人々に (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
(娘を抱(いだ)く。)己が悪かった。勘忍してくれい。(娘は顔を画家の胸に押付く。画家は徐(しずか)に娘の髪を撫づ。娘忽ち欷歔(ききょ)す。画家小声にて。)
百合子は床の中でのみ欷歔(すゝりあ)げた。
百合子 (新字旧仮名) / 田山花袋、田山録弥(著)
彼女は小さい手を荒々しく振り上げて、エミリイを椅子から叩き落しますと、急に欷歔(すすりな)きはじめました。セエラが泣くなどとは、今までにないことでした。
夜も晝も『和子よ。』と欷歔(さぐ)り
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
鳥の鳴くよに、欷歔(しやく)るよに
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
弱い帛(きぬ)を長く裂いてゆくように泣き続けて、やがて咽(むせ)び入(い)るようになって消えたかと思うと、また物悲しそうに泣く音(ね)を立てて欷歔(しゃく)り上げる泣き声が、いじらしくてたまらなく聞えます。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
われは声を忍びて、かたく顔を衾(きん)に押し当てて欷歔(すすりあ)げしに、熱涙綿(わた)に透りて、さながら湯をば覆えしたるごとく、汗は流れて、熱をやみたる人のごとく、いとあつし。
一夜のうれい (新字新仮名) / 田山花袋(著)
咽(むせ)び入(い)るようなこの子は抱き上げられて、いじらしくもお銀様の胸へぴったりと面(かお)を寄せて、その乳を求めながら、欷歔(なきじゃ)くっているのであります。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
大きい眼が少しうるんで、赤い唇に動く欷歔(なきじやくり)、白い頬がほの暗い物の蔭に匂つて、何十方尺の間まことに比類もない雰圍氣を作ると言つた、世にもたふとい處女の姿でした。